Q 資本金不足だと株式会社の設立は無理ですか?
A いいえ。最低資本金制度は廃止されました。
 
以前の商法では、株式会社を設立するには、最低1,000万円の資本金を用意する必要がありました。
会社法では、この最低資本金制度が廃止され、株式会社を設立する際の資本金は1円以上あればよいことになりました。
又、これまで株式会社を設立するには、金融機関が発行する払込金保管証明書を用意する必要があり、その手配に数万円ほどの費用(手数料)がかかりました。しかも証明書が発行されるまでに、早くても数日、遅いときには一週間近い日数を要することさえありました。
この点についても、会社法では、発起人がすべての株式を引き受ける方式(発起設立)で株式会社を設立する場合は、払込金保管証明書の代わりに預金通帳の写しなどを用いることが可能になりました。
その結果、株式会社設立の費用を抑えることが可能になり、より起業がしやすくなりました。
Q 監査役を選びなおす手間とコストを削減できますか?
A はい。取締役と同様に、最長で約10年まで選任の期間を延ばせる場合があります。
 
これまで監査役は、約4年ごとに選びなおす必要があり、その度に手間とコスト(登録免許税など)がかかりました。そのため、監査役がほぼ固定している株式会社にとっては、減らしたい負担でした。
会社法では、一定の条件を満たす株式会社であれば、監査役は最長で約10年に1回選びなおせばよいと定めることができます。よって、その手間とコストを削減することができます。
ご注意してほしいのは、10年以内に必ず改選の時期が来ますので、忘れることのないよう任期の管理をする必要があることです。
 
条 件
定款に株式譲渡制限規定が定められていること。
 
これは、あなたの会社の定款や登記事項証明書を見るとわかります。

Q 形だけの監査役はなくすことができますか?

A はい。監査役を置かないと定めることができる場合があります。
 
以前の株式会社は、監査役を最低でも1名以上置くことが、必要でした。
名前だけの監査役を置くこともありましたし、そのうえ、支払う報酬も負担になりました。
会社法では、一定の条件を満たす株式会社なら、監査役を置かないと定めることができます。
その結果、形だけの監査役を置くという、実態にそぐわない状態を解消し、監査役報酬について、コストの削減ができます。
 
監査役を置かなくてすむ条件とは?
1、「取締役会」を置いてないこと(この条件が、一般的に利用しやすいのではないかと、私は思います)。
 
2、取締役会を置いていても、「委員会設置会社」であること。
 
3、「会計監査人」を置いてないこと。
 
4、会計監査人を置いていても、「委員会設置会社」であること。
 
会計監査人設置会社って?
*会社法の下で、定款の定めにより、会計監査人を置く株式会社
*会社法により、会計監査人を置かなければならない株式会社(いわゆる大会社
会計監査人設置会社とは、会計の専門家である、公認会計士・監査法人からなる会計監査人という機関を置いて、監査の実効性を上げている会社のことを言います。

 

Q 取締役は2年ごとに選びなおさなければなりませんか? 

A いいえ。最長で約10年まで選任の期間を延ばせる場合があります。


これまでは株式会社の取締役は約2年ごとに選びなおす必要がありました。そして、その都度変更登記とコスト(登録免許税など)がかかりました。

取締役がほぼ固定している株式会社にとっては、これらは減らしたい負担でした。

会社法では、一定の条件を満たす株式会社が定款に定めれば、取締役は最長で約10年に1回選びなおせばよいことになり、手間とコストを削減することができます。

ただし、約10年以内に必ず取締役改選の時期が来ます。そのため、忘れることのないように任期の管理をする必要があります。

なお、取締役の任期を変更するには、次の条件をふたつとも満たすことが必要です。

条 件 

1、定款に株式譲渡制限規定が定められていること。

2、委員会設置会社ではないこと。


定款や登記事項証明書を見ると、株式譲渡制限規定や委員会設置会社は載っていますので、これらの条件にあてはまるかどうかわかります。

 

株式譲渡制限規定とは?
その会社の株式の売買や贈与をするには、取締役会や株主総会などの承認が必要であるという規定のこと。

会社法では、株式譲渡制限の有無によって、「非公開会社」・「公開会社」という名称で区別され、さまざまな面で法の適用が大きく異なっています。

委員会設置会社とは?
執行役が会社の業務執行を行い、指名委員会、監査委員会及び報酬委員会の3つの委員会が経営の監査を行う会社のこと。

Q 経営に関与しない、名前だけの取締役であっても、やはり3名以上必要でしょうか?
A いいえ。取締役の数は最低1名以上という株式会社も 作ることができます。
 
これまでの商法では、取締役は最低3名以上置かなければならず、人数あわせのために名前だけの取締役を置くこともありました。
しかし、経営を行う取締役が現実には1名となっている株式会社にとっては、理屈ではわかっていても、やはり不自然な状態であり、また取締役報酬も負担でした。
会社法では、一定の条件をみたす株式会社なら、取締役は最低1名以上いればよいことになりました。名前だけの取締役を置くという不自然な状態を解消し、取締役報酬につき、コスト削減をすることができます。
 
一定の条件とは?
「取締役会」設置会社では、ないこと。
定款や登記事項証明書を見て、取締役会を設置している会社の旨が記載されていなければ条件にあてはまることがわかります。
また、現在、取締役会を設置している会社であっても、取締役会を廃止することで可能になる場合があります。
 
取締役会設置会社とは?
新会社法の下であえて取締役会を置く株式会社。あるいは、会社法により取締役会を置かなければならない株式会社のこと。 

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